2014/07/12

Stroll toward 2014-15 season - Northeast Ohio

The Decision 2.0

いろんな噂が飛び交ったけれど、レブロン・ジェームズは地元のチーム、クリーブランド・キャバリアーズに復帰することにしたそうだ。


前回のポストから時間が経ってしまったけれど、その間にレブロンはMAX契約を求めているらしいという記事はいくつも見た。早めのオプトアウト宣言も、自分に感心を持っているチームに少しでも多くの準備期間を与えられるだった…というのだから、本気度も伺える。そして、選んだのがキャブズだった。「いつかはクリーブランドで現役を終えたい」と考えていたレブロンに、予定よりも早かったのか遅かったのか、そのときがきたということだろう。たぶん。

Related:
LeBron James wants max salary (Via. ESPN)
 
LeBron James wants max money from the Heat, per report (Via. SB Nation.com) 
LeBron James tells free-agent suitors he'll only accept a max salary (Via. SB Nation.com)


「現役最高」としての決断

2014年現在のNBAで最高の選手は誰か。多くの人がレブロン・ジェームズと言うだろう。好き嫌いは別として。いつの時代もプロスポーツ選手は、子どもたちの憧れだと思う。現役最高の選手ともなれば、その影響力も大きい。そして、プロの世界には、スポーツ・エンターテインメントの側面と、スポーツ・ビジネスの側面がある。競技実績の評価と、それに裏付けられた金銭的な評価だ。

「最高の選手が最高の年俸をもらうべきでしょう!」というビジネス面での正論。実際は、コービー・ブライアントのほうが年俸高いけど、最高の選手が他の選手のために給料カットを受け容れる必要はないし、「むしろ逆だろう」という考え方もある。

2010年にヒートに移籍したときも既にスター選手だったけれど、NBA優勝の経験もなかったため「現役最高」には疑問符もあった。優勝が狙えるのならと、当時マイアミのビッグ3は揃って給料カットを受け容れた。でも今は、4年連続を含む5回のファイナル進出(カンファレンス優勝)と、2回のファイナル制覇、4回のシーズンMVP、2回のファイナルMVP…。「現役最高」に相応しい実績も備わっている。そしてクリーブランドには、レブロンとMAX契約を結ぶことができるキャップスペースがあった(というか、用意した)。現役最高の選手として、正しい決断だと思う。


地元に戻るという決断

SI.comの手記の中で「My relationship with Northeast Ohio is bigger than basketball. I didn’t realize that four years ago. I do now. (ノースイースト・オハイオと自分の関係は、バスケットボール以上に大きなものがある。4年前は分からなかったけれど、今なら分かる)」と。

そして、「I always believed that I’d return to Cleveland and finish my career there. I just didn’t know when. (いつかはクリーブランドでキャリアを終えると信じていた。いつになるかは分からなかったけれど)」とも。

誰にとっても、自分の故郷は特別な意味を持っている。3人目の子どもを授かろうとしているレブロンにとっても同じことが言える。29歳、キャリアの後半。今回の契約が終わる4年後は33歳。引退も意識しはじめるころだろう。家族との時間を考えて、地元に戻るという決断も、ひとりの人間として納得できるものではある。


あるいは、負けず嫌い

ここからはあたしが勝手に思うこと。
2014年のファイナル、スパーズはレブロンが羨むようなチームバスケットで、ファイナル記録となる52.8%のFG%と得失点+70点でヒートをコテンパに負かした。今季のスパーズは「バスケットボール」というスポーツのある種の完成形のようなチームだったと思う。もともとナゲッツファンのあたいも虜になったほど、美しいものだった。

スパーズの「チームバスケット」のベースにあるのは、史上最高のパワーフォワード、ティム・ダンカンの存在であり、少数のスーパースターに頼らずにチーム全体でボールをシェアして勝利を目指す現役最高のコーチ、グレッグ・ポポビッチの戦略だ。

限りあるサラリーキャップの中で充実したメンバー構成にするために、優勝を目指すために、チームの大黒柱であるティム・ダンカンは大幅な年俸カットを受け容れている。スプリッターよりも安い給料ってのは少し気の毒になるくらい。

しかもダンカンは、どんなブローアウトゲームでもとっとロッカーに戻らず、コートサイドで控えメンバーをハイファイブで迎える。「チーム全員で勝つ」姿を体現し、チームの文化として積み上げてきた。そして、圧倒的な強さで優勝した。

あれ? これって…。ヒートのビッグ3も年俸カットを受け容れて、チームメンバーを維持して、連覇を達成たチーム。スパーズとヒートではチーム事情は異なるものの、アプローチは同じだと思う。主力選手が年俸カットを受け容れて、チーム力を高めて優勝を手にしたのだから。

2013年はスパーズが掴みかけていた優勝を、劇的な展開でヒートが奪っていった。どちらが優勝してもおかしくないシリーズだった。けれども、2014年は違った。1年間で両チームの間に圧倒的な差がついてしまっていた。

レブロンは思ったんじゃないかな。上には上がいると。スパーズのようなチームバスケットは、ヒートには絶対にできないと。それでも年俸カットを受け容れないといけないのか? 誰のために、何のためにプレーしているのか? そして思ったんじゃないかな。「俺は年俸カットもしないで、スパーズとは違うやり方で優勝してやるよ」と。そう思わせるほど、今季のスパーズの強さはセンセーショナルに写ったのではないかと。

最後の砦である「地元」に戻ったレブロンに、もう逃げ場所はない。
来シーズン、どんな戦いを見せるのか注目していきたい。
キャブスはあまり好きじゃないけれど(笑

2014/07/05

2014 NBA Year Annual Award

やばい、やばい、サマーリーグが始まってしまった…。いろいろ前後するけれど2013-14シーズンの各賞の振り返たかったのです。


2013-14 Kia Most Valuable Player

Kevin Durant #35 (Oklahoma City Thunder, Forward, 25-years old)
PLAYERFG%3FG%FT%REBASTTOSTBSPFPTS+/-PIE
Kevin Durant
(OKC, Forward)
50.3%39.1%87.3%7.45.53.51.30.72.132.06.320.6%




悲願の初MVP。リーグでただ1人、平均30得点以上。しかもFG%は50%越えというのがすごい。MJが持っていた1試合25得点以上の連続試合記録を塗り替えたり、ウェストブルックが離脱している間の活躍が印象的だった。
受賞スピーチもとても感動的な内容で。今のような活躍を続ければ今後何度もMVPを受賞する機会もあるだろうと思うのだけれど…子どものころの苦労話をしてしまうと何だか最初で最後のような印象を受けてしまうから不思議。
MVP 受賞スピーチ日本語全文はこちら (NBA.com 日本版)
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2013-14 Kia Defensive Player of the Year

Joakim Noah #13 (Chicago Bulls, Center, 29-years old)
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Joakim Noah
(CHI, Center)
47.5%0.0%73.7%11.35.42.41.21.53.112.62.915.6%


エースのローズを欠き、1試合平均93.7得点という得点力リーグ最下位のブルズがイースタン・カンファレンス4位に入ったのは、リーグ2位のディフェンス力あってこそ。
彼がペイントエリアにいるだけで、相手チームのプレッシャーになる。数字に表れにくい部分での貢献度も高いのだろう。
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2013-14 Kia Sixth Man of the Year

Jamal Crawford #11 (Los Angeles Clippers, Guard, 34-years old)
PLAYERFG%3FG%FT%REBASTTOSTBSPFPTS+/-PIE
Jamal Crawford
(LAC, Guard)
41.6%36.1%86.6%2.33.22.00.90.21.718.63.911.1%


スターターじゃないけど1試合平均30.4分出場。クリッパーズのスパークプラグとして申し分ない活躍。クリスポール離脱時のバックアップっぷりも見事だった。18.6は得点ランキング14位…他のチームに行けばスターターで出場できるよね、これ。
[宮地陽子コラム第20回]J・クロフォードの人柄が表われていたシックスマン受賞スピーチ | NBA Japan 
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2013-14 Kia NBA Rookie of the Year

Michel Carter-Williams #11 (Philadelphia 76ers, Guard, 22-years old)
PLAYERFG%3FG%FT%REBASTTOSTBSPFPTS+/-PIE
Michel Carter-Williams
(PHI, Guard)
40.5%26.4%70.3%6.26.33.51.90.63.016.7-6.410.4%


得点、リバウンド、アシストの主要3部門で新人首位の記録を残したのは、オスカー・ロバートソン(1960-61シーズン)、アルバン・アダムズ(1975-76シーズン)に続き、1950-51シーズン以降では史上3人目。124票中104票を獲得して、ぶっちぎりの受賞となった。9スティールで王者ヒートへの勝利に貢献したNBAデビューもセンセーショナルで、ルーキー・オブ・ザ・マンスは11月、1月、3月と3度受賞していた。
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2013-14 Kia NBA Most Improved Player of the Year

Goran Dragic #1 (Phoenix Suns, Guard, 28-years old)
PLAYERFG%3FG%FT%REBASTTOSTBSPFPTS+/-PIE
Goran Dragic
(PHO, Guard)
50.5%40.8%76.0%3.25.92.81.40.32.720.34.013.4%


ロケッツで干され気味だったドラギッチがついに開花。サンズの躍進を支えてた主犯格。ホナセックとの相性も良かったんだろうか、こんなにいい選手だったとは。ジェレミー・リンより良かったんじゃないか的な…。


2013-14 NBA Coach of the Year

Gregg Popovich (San Antonio Spurs, 65-years old)
TeamW-LPPGRPGAPGOPPG+/-PIE
San Antonio Spurs62-20
(.756)
105.4
6th
43.3
12th
25.2
1st
97.7
6th
7.7
1st
55.5%
1st



好きな選手がどんなに活躍しても、チームが勝たなければ嬉しさは半減してしまう。プロスポーツにおいて「応援しているチームが勝つこと」以上のエンターテインメントは、恐らく、ない。ポップはそれを知っている人なんだと思う。

15年連続50勝、17年連続プレーオフ進出、リーグ最高勝率。数人のスーパースターに頼るのではなく、チーム全体で勝利を目指す「美しいチームバスケット」で、ホームとロードで30勝以上を達成したのはスパーズだけ。また、リーグ唯一全選手のプレータイムを1試合平均30分以下に抑えるチームマネジメントをしながら、リーグ1位の得失点差、リーグ1位のアシスト数、リーグ1位のベンチポイントという数字を残した点も見逃せない。
最終的にはファイナル優勝も達成した今季のスパーズは完璧だった。

2つめの動画には、ポップのハートフルな一面が現れている。当初の予定では試合前にインタビューをする予定だったそうだが、試合のインターバル中に受けるとポップが言いだしたらしい。

試合中のインタビューも普段なら「どれだけ短い言葉で返すか」が見所になるけれど、この日は違った。白血病で闘病中のクレイグ・セイガーさん(TNTの名インタビュアー)の代役で現れた息子さん(クレイグ・セイガー・ジュニアさん)のインタビューにしっかり答えた上で、恐らく中継を見ているであろうセイガーさんのためにカメラに向けてメッセージを送った。ぶっきらぼうで怖そうなイメージもあるけれど、ほんとうは、心温かい人。とても好きになった。
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2013-14 NBA Executive of the Year

R.C. Buford (San Antonio Spurs, 54-years old)

Executive of the Year 受賞ムービーはこちら (Spurs.com)
Executive of the Year リリース原文はこちら (Spurs.com)


2013-14 All-NBA Team


2013-14 All-NBA First Team


PLAYERFG%3FG%FT%REBASTTOSTBSPFPTS+/-PIE
Kevin Durant
(OKC, Forward)
50.3%39.1%87.3%7.45.53.51.30.72.132.06.320.6%
LeBron James
(MIA, Forward)
56.7%37.9%75.0%6.96.33.51.60.31.427.15.320.0%
Joakim Noah
(CHI, Center)
47.5%0.0%73.7%11.35.42.41.21.53.112.62.915.6%
Chris Paul
(LAC, Guard)
46.7%36.8%85.5%4.310.72.32.50.12.519.18.517.9%
James Harden
(HOU, Guard)
45.6%36.6%86.6%4.76.13.61.60.42.425.45.615.6%


2013-14 All-NBA Second Team

PLAYERFG%3FG%FT%REBASTTOSTBSPFPTS+/-PIE
Stephen Curry
(GSW, Guard)
47.1%42.4%88.5%4.38.53.81.60.22.524.07.316.4%
Blake Griffin
(LAC, Forward)
52.8%27.3%71.5%9.53.92.81.20.63.324.17.216.2%
Kevin Love
(MIN, Forward)
45.7%37.6%82.1%12.54.42.50.80.51.826.14.619.1
Dwight Howard
(HOU, Center)
59.1%28.6%54.7%12.21.83.20.81.83.418.34.814.6%
Tony Parker
(SAS, Guard)
49.9%37.3%81.1%2.35.72.20.50.11.316.74.012.9%



2013-14 All-NBA Third Team

PLAYERFG%3FG%FT%REBASTTOSTBSPFPTS+/-PIE
Al Jefferson
(CHA, Center)
50.9%20.0%69.0%10.82.11.70.91.12.421.80.517.0%
Paul George
(IND, Forward)
42.4%36.4%86.4%6.83.52.81.90.32.521.74.615.7%
LaMarcus Aldridge
(POR, Forward)
45.8%20.0%82.2%11.12.61.80.91.02.123.25.315.5%
Damian Lillard
(POR, Guard)
42.4%39.4%87.1%3.55.62.40.80.32.420.74.411.7%
Goran Dragic
(PHO, Guard)
50.5%40.8%76.0%3.25.92.81.40.32.720.34.013.4%

全体的に世代交代が進んだ印象。ドラギッチはサプライズだったけれど、今シーズンのサンズの躍進を考えると納得できる部分もある。ジョン・ウォールが入っていないのが残念。アベレージ的には選ばれていてもいい数字は残しているんだけれどな…。得点は数字として分かりやすいけれど、ポイントガードのアシスト数ももう少し見てほしいような気がする。

ケビン・ラブとゴラン・ドラギッチ以外は皆、チームのプレーオフ進出に貢献していて…と考えると、メロが入っていないのも仕方ないのかもしれないな。ローズとかコービーとかケガから復活したらまたメンバーも変わるのだろうか。ウェストブルックは記者人気がないのだろうか。そんなことも考えた。


2013-14 All-Defensive Team


2013-14 All-Defensive First Team

PLAYERFG%3FG%FT%REBASTTOSTBSPFPTS+/-PIE
Joakim Noah
(CHI, Center)
47.5%0.0%73.7%11.35.42.41.21.53.112.62.915.6
Paul George
(IND, Forward)
42.4%36.4%86.4%6.83.52.81.90.32.521.74.615.7%
Chris Paul
(LAC, Guard)
46.7%36.8%85.5%4.310.72.32.50.12.519.18.517.9
Serge Ibaka
(OKC, Forward)
53.6%38.3%78.4%8.81.01.50.52.72.915.15.012.4%
Andre Iguodala
(GSW, Guard/Forward)
48.0%35.4%65.2%4.74.21.61.50.31.69.39.09.9%


2013-14 All-Defensive Second Team

PLAYERFG%3FG%FT%REBASTTOSTBSPFPTS+/-PIE
LeBron James
(MIA, Forward)
56.7%37.9%75.0%6.96.33.51.60.31.427.15.320.0%
Patrick Beverley
(HOU, Guard)
41.4%36.1%81.4%3.52.71.21.40.43.110.25.37.0%
Jimmy Butler
(CHI, Guard)
39.7%28.3%76.9%4.92.61.51.90.51.613.12.89.5%
Kawhi Leonard
(SAS, Forward)
52.2%37.9%80.2%6.22.01.21.70.81.912.85.713.2%
Roy Hibbert
(IND, Center)
43.9%40.0%77.0%6.61.11.80.42.23.310.84.48.0%

こちらも新顔がちらほら。ポール・ジョージがレブロンを抑えてファーストチームに選ばれたのは意外。レナードの選出も個人的には嬉しいところ。クリッパーズのデアンドレ・ジョーダンとか選ばれても良さげだけど、入るスキがないほど今シーズンはノアがすごかった。
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2013-14 All-Rookie Team



2013-14 All-Rookie First Team

PLAYERFG%3FG%FT%REBASTTOSTBSPFPTS+/-PIE
Michel Carter-Williams
(PHI, Guard)
40.5%26.4%70.3%6.26.33.51.90.63.016.7-6.410.4%
Victor Oladipo
(ORL, Guard)
41.9%32.7%78.0%4.14.13.21.60.52.613.8-3.49.7%
Trey Burke
(UTA, Guard)
38.0%33.0%90.3%3.05.71.90.60.12.112.8-3.78.3%
Mason Plumlee
(BKN, Center)
65.9%0.0%62.6%4.40.91.10.70.82.47.4-1.311.4%
Tim Hardaway Jr. 
(NYK, Guard)
42.8%36.3%82.8%1.50.80.60.50.11.810.2-2.17.3%


2013-14 All-Rookie Second Team

PLAYERFG%3FG%FT%REBASTTOSTBSPFPTS+/-PIE
Kelly Olynyk
(BOS, Center)
46.6%35.1%81.1%5.21.61.50.50.43.28.7-0.19.0%
Giannis Antetokounmpo
(MIL, Guard)
41.4%34.7%68.3%4.41.91.60.80.82.26.8-2.37.3%
Gorgui Dieng
(MIN, Center)
49.8%100%63.4%5.00.70.90.50.81.84.8-0.711.1%
Cody Zeller
(CHA, Forward)
42.6%0.0%73.0%4.31.11.10.50.52.16.0-1.18.6%
Steven Adams
(OKC, Center)
50.3%0.0%58.1%4.10.50.90.50.72.53.30.75.2%

この先何人の選手が残ることができるか。見極めていきたいところ。セルティックスのオリニクとか、がんばってほしいわー。