2014/05/31

Thanks, 2014 Playoffs Conf. Semi-Finals.

壮絶な1st ラウンドの反動か、結果だけを見ると「レギュラーシーズンの上位チームが下位チームを順当にパスした」という展開。だからといって、盛り上がりに欠けたわけではなく…。いや、むしろ「負けてしまえばシーズン終了」という状況の中で、盛り上がらないわけがない。チームとしての実力差は明らかでも、何が起こるかわからない短期決戦。結果的にアップセットは起こらなかったけれど「起こりそうな予感」とか「起こしてほしい期待」はあった。個人的には、ウィザーズの躍進とスパーズの美しさに心奪われた。

Eastern Conference

Pacers(#1) vs Wizards(#5) : Pacers 4-2

2014/05/05 Wizards 102 @ Pacers 96
2014/05/07 Wizards 82 @ Pacers 86
2014/05/09 Pacers 85 @ Wizards 63
2014/05/11 Pacers 95 @ Wizards 92
2014/05/13 Wizards 102 @ Pacers 79
2014/05/15 Pacers 93 @ Wizards 80

良くも悪くも、ウィザーズのシリーズだったと思う。勝敗を分けたのは、認めたくないけれど「経験の差」。3Qまでリードを保ちながらホームで逆転負けを喫した第4戦が大きかった。そして、負けた4試合のうち3試合は、ゲームの閉じ方に失敗している。確率の高い2点を狙いにいくべき場面でも、ショットクロックを残したまま3ポイントを狙いにいくなど、自滅のポゼッションが多かった印象。もし状況に応じた正しい戦術が与えられていたら……、もし幾度となくスターターがつくったビハインドを削った「AARP ユニット」に託していれば……。おそらく勝てた試合もあっただろう。でもそれは、目先の勝利を取りに行くのであればの話。中長期的に強豪チームになるためには、チームの「顔」であるジョン・ウォール(23歳)とブラッドリー・ビール(20歳)のバックコート・コンビと心中する必要があったのだ。あぁ、成長の痛み。

バックコートの得点力とスピード、トレバー・アリーザの3とDの職人ぶり、ネネのペリメーター、ポーランド・ハンマーことマルチン・ゴータットのリバウンドへの貢献……チームとしてウィザーズのほうが勢いもあったと思う。

たしかにペイサーズのディフェンスのプレッシャーはすごかったけれど「ペイサーズが圧倒した」という印象はない。「ウィザーズが自滅した」というのが僕の結論。ただ、理由はどうあれ負けてしまえば同じなのだが。FAになるアリーザとゴータットをどうするのか、プレーオフのサプライズチームは、密かに注目を集めている。

ペイサーズは勝つには勝ったけれど、イースト首位の強さを証明することなく、不安感しか残らなかった。

Heat(#2) vs Nets(#6) : Heat 4-1

2014/05/06 Nets 86 @ Heat 107
2014/05/08 Nets 82 @ Heat 94
2014/05/10 Heat 90 @ Nets 104
2014/05/12 Heat 102 @ Nets 96
2014/05/14 Nets 94 @ Heat 96

あらためて、ヒートの強さが際立ったシリーズ。レギュラーシーズンの相性(ネッツの4勝0敗)から、最後の数試合にスターターのプレイタイムを制限して狙い通りのカンファレンス6位になったネッツだったが……「波乱はなしだ」った。第2戦と第5戦はネッツが勝てる試合……勝たなければいけない試合だった。終盤の大事な時間帯で得点できずに沈んでいく様は、王者の力強さを際立たせるだけだった。

ネッツで言うと、ポール・ピアースの存在感が目立った。同時に、ジョー・ジョンソンとデロン・ウィリアムズで大丈夫なのか? という疑問が一層大きくなった。KGの引退説、ピアースの移籍説……オフシーズンのネッツからも目が離せない。


Western Conference


Spurs(#1) vs Trail Blazers(#5) : Spurs 4-1

2014/05/06 Trail Blazers 92 @ Spurs 116
2014/05/08 Trail Blazers 97 @ Spurs 114
2014/05/10 Spurs 118 @ Trail Blazers 103
2014/05/12 Trail Blazers 103 @ Spurs 92
2014/05/14 Spurs 104 @ Trail Blazers 82

1st ラウンドの鬱憤を晴らすかのよう。勝った4試合はすべてブローアウト。スパーズの圧倒的な美しさといったら、もう! ブレイザーズを寄せつけない強さ。ベンチが薄いブレイザーズは、ホームで1勝するのがやっと。パーカーの素晴らしさはもちろん、レナードの鮮烈さが目立った。新しいニックネームが決まったり、初のポディウム・インタビュー(試合後の会見場での記者会見。コーチや活躍した選手が登場する。お立ち台、のようなもの)を行ったり、エース後継者としての認識も定着してきた。

Thunder(#2) vs Clippers(#3) : Thunder 4-2

2014/05/05 Clippers 122 @ Thunder105
2014/05/07 Clippers 101 @ Thunder 112
2014/05/09 Thunder 118 @ Clippers 112
2014/05/11 Thunder 99 @ Clippers 101
2014/05/13 Clippers 104 @ Thunder 105
2014/05/15 Thunder 105 @ Clippers 98

セミファイナルでもっともフィジカルだったシリーズ。1試合のフリースローが20本なんて当たり前。取り敢えず突っ込んでファウルをもらうウェストブルック。ファウルをもらうのが上手なクリス・ポール。ファウルでしか止められないデュラント。ブレイク・グリフィンとサージ・イバカの因縁……。デアンドレ・ジョーダン、ケンドリック・パーキンスのディフェンシブ・センターのマッチアップ。ファウルが多くなる原因がいっぱい。
バスケットボールのルールを考えると、時間を止めて高確率なシュートで得点できるフリースローは有効な得点方法だ。「プロスポーツは結果がすべて」という意見も、ある側面では正しい。だからといって、フリースローで得点を稼ぐゲームプランは、プロフェッショナルなスポーツエンターテインメントとして「どうなのか?」という思いもある。

ファウルが多い試合で勝敗を分けるのは、ベンチの差だろう。クリッパーズは、シックスマンのジャマール・クロフォード、ダニー・グレンジャー、グレン・デイビスのオプトアウト組、ダレン・コリソン、なかなかのベテラン揃い。なのだけれど…ですよ。サンダーのスピードを考えると、ディフェンシブに振るのは厳しいか。オフェンシブなユニットを組むことはできるけれど、多くのプレータイムを任せられるのは、ジャマールくらい。

サンダーのベンチは、デリック・フィッシャーとカロン・バトラー、ニック・コリソンのベテラン組と、若手のレジー・ジャクソン、スティーブン・アダムス。出番は少なかったけれど、ジェレミー・ラムもいる。デュラントとウェストブルックはシーズン中からプレータイムが多いので、ベンチの役割はオフェンスよりもディフェンスが中心。どちらのチームもベンチメンバーだけで戦えるほどの威力はないけれど、サンダーのほうがベンチの柔軟性があった。

クリッパーズはオーナーの人種差別発言問題もある中で、よく戦ったと評価することもできるけれど、結果的にシリーズの行方を左右した第5戦終盤のクリス・ポールのゲームメイクやファウルトラブルなど、自滅感も否めない。裏を返せば、伸びしろがたくさんある。就任1年目でフランチャイズ記録となる57勝25敗を記録したドック・リーバスが、このチームをどう伸ばしていくのか、来シーズンにも注目したい。

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