2014/06/18

Conjecture : What "Family-business" means - Kawhi Leonard The Finals MVP

via NBA Entities

プレーオフ予想のポストで「このファイナルがダンカン&ジノビリが有終の美を飾り、エースの座をレナードに継承する式典となる…」と書いたけれど、まさかレナードがファイナルのMVPを獲るなんて、Game 2が終わった時点では考えてもみなかった。

Gmae 2終了時、2試合連続のダブルダブルもあって、ダンカンの存在感が際立っていた。「スパーズが勝ったら、MVPはダンカンだな」と思っていた。

ところがどっこい。ラブストーリーは突然に。

via NBA Entities

Game 3、Game 4で、レナードが覚醒。敵地マイアミで何が起きたのか。ファウルトラブルで調子のあがらないレナードに対して、ポップが何を話したのか。「ファミリービジネスだけど、話そう」と、インタビュー字幕付きはこちら)で明かしてくれた。

曰く「彼には、トニー(パーカー)、ティム(ダンカン)、マヌー(ジノビリ)と一緒にプレイしていても気後れすることはないと伝えた。彼はチームのエンジンの1人だ。チームのすべては彼のリバウンドとのディフェンスから始まっている」とのこと。

さらに「このプレーオフで、レナードのためにコールしたプレー(ナンバープレー)はなかった」とも。Game 3で見せたキャリアハイの29得点も、キャリア初の3試合連続20得点も、すべてが流れの中での得点、モーション・オフェンスからの得点だったのだ。

要するに「キミはチームのお膳立てがなくても、得点できる選手だ。だから自由にやってみろ」というコーチからのメッセージ。あぁ、なんという信頼感。そして、ビッグ3からも「攻撃的に行け」と言われていたらしい。コーチの信頼に、ビッグ3の期待に、寡黙な22歳は、言葉ではなく行動で応えたのだ。お前さんは、侍かと。海を越えて心に響く。

Kawhi Leonard confident he'll work out Spurs extension
So I just talked to him about not being in that deferment or that defer sort of stage. The hell with Tony, the hell with Timmy, the hell with Manu, you play the game. You are the man. You're part of the engine that makes us go. And it starts with his defense and his rebounding, and he's starting to feel his oats offensively.

スタッツ的にはどうなのか

Game MIN FGM-A 3PM-A FTM-A +/- OFF DEF TOT AST PF ST TO BS BA PTS
Game 1 23:33 3-5 2-3 1-2 +11 0 2 2 0 3 1 4 0 0 9
Game 2 31:32 3-9 2-3 1-2 -6 0 2 2 3 6 1 0 0 1 9
Game 3 39:16 10-13 3-6 6-7 +19 1 3 4 2 4 2 1 2 0 29
Game 4 38:41 7-12 1-3 5-6 +23 5 9 14 3 3 3 1 3 0 20
Game 5 33:59 7-10 3-4 5-6 +15 2 8 10 2 6 1 3 1 0 22
Total
(average)
167:01
(33:24)
30-49
(61.2%)
11-19
(57.9%)
18-23
(78.3%)
+62
(+12.4)
8
(1.6)
24
(4.8)
32
(6.4)
10
(2.0)
22
(4.4)
8
(1.6)
9
(1.8)
6
(1.2)
1
(0.2)
89
(17.8)

他の選手のスタッツと見比べても、数字的にはダントツでファイナルMVPとは言い難い。まぁ、それこそがスパーズのチームバスケットでもあるけれど。受賞の理由は、高いFG%と攻守にわたる印象的なプレー、試合に与える影響、今後への期待なんかも込められていると思う。

事実、レナードが不調だった最初の2試合と、復調した後の3試合とでは、スパーズのバスケットボールがまるで違っていたし、レギュラーシーズン中もレナードの骨折による離脱中は8勝7敗と波に乗りきれずにいたわけだし。「ゲームを支配する絶対的な選手」ではないけれど「スパーズにとって代わりのいない選手」であることは、プレーオフに入る前から分かっていたこと。


Spurs Player's Stats - Basic / via. NBA.com/Stats

Spurs Player's Stats - Advance / via. NBA.com/Stats

「ファミリービジネス」の意味するところ

レナードのファイナルMVPは、今後のスパーズにとっても意味があると思う。1999年にファイナルMVPを受賞したダンカンは、"提督”デビッド・ロビンソンからチームの将来を託された。2007年にファイナルMVPを受賞したパーカーは、ビッグ3の新しい顔として、その後のチームを牽引した。そして、2014年。2度ファイナルMVPに輝いたマジック・ジョンソンに次ぐ史上3番目に若いファイナルMVPは、その腕の長いで今後のスパーズを引っ張っていくだろう。そうあってほしいし、そうであるべきだと思う。ダンカンの記録を超えたのだから、周囲の期待も高まるはずだ。けれど静かな若者は、淡々とプレッシャーを乗り越えていくに違いない。

Youngest Finals MVP / via. NBA Entities

そして、今だからこそ思う。ポップの言っていた「ファミリービジネス」には「レナードにファイナルMVPを獲らせること」も含まれていたんじゃないか…と。
18年間同じチームを率いていて(アメリカ4大スポーツで最長記録@更新中)、17年間連続プレーオフ進出(NBA記録更新中)、15年連続50勝(NBA記録更新中。ロックアウトがなければ…もっと…)という偉業を成している現役最高のコーチは、強いフランチャイズの作り方も、選手を「その気」にさせるツボも知り尽くしているはず。「レナードにファイナルMVPを…」と考えていたとしても不思議ではない。

Game 5の4Q、ヒートが主力をベンチに下げて、ほぼ勝負が見えていたにも関わらず、5ファウルのレナードをコートに戻したのは、「スターター5人に優勝の瞬間をコート迎えさせたい」という思いと「レナードにあと1本リバウンドを取ってもらってダブルダブルを達成してほしい(=ファイナルMVPにより近づけたい)」という思いがあったのではないかと思う。もちろん、すべては想像の話。そんなドラマがあったらいいなという勝手な希望。


どうする? ダンカン&マヌー

プレーオフが始まる前は「ファイナルでヒートにリベンジを果たせたら(優秀の美を飾れたら)ダンカンとジノビリは、いよいよ引退かなあ…」なんて思っていたけれど、こりゃ、まだまだ引退できないね。NBAファイナルで活躍して、全世界に知られる選手になったけれど、まだまだNBA3年目の22歳。ベテランの助けが必要だ。契約も残っているのだし、チームに残ってほしいと思う。そしてもう一度、この狂騒を。



2014 NBA Finals MVP - Kawhi Leonard / via. NBA Google+

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