2014/06/04

No Reason, 2014 Playoffs Conf. Finals.

いよいよカンファレンス・ファイナル。予想どおりではなかったけれど、両カンファレンスともトップシードとセカンドシードの対戦。実力が僅差だからなのか、対策がバッチリだったからなのか「堅い」というか「ゴリゴリ」というか「地味」というか。プロレスじゃなくて、柔術というか。寝技の応酬みたいなシリーズだった。

Eastern Conference


Pacers(#1) vs Heat(#2) : Heat 4-2

2014/05/18 Heat 96 @ Pacers 107
2014/05/20 Heat 87 @ Pacers 83
2014/05/24 Pacers 87 @ Heat 99
2014/05/26 Pacers 90 @ Heat 102
2014/05/28 Heat 90 @ Pacers 93
2014/05/30 Pacers 92 @ Heat 117

レギュラーシーズン後半で失速しつつも何とかカンファレンス・ファイナルに辿り着いたペイサーズと、危なげなく勝ち上がってきたヒート。ホームコートアドバンテージはペイサーズにあったけれど、プレーオフの戦いぶりを見ている限り、今のペイサーズがヒートに4勝するのは難しだろうと思っていたけれど、2勝がやっとだった。

ランス・スティーブンソンにつてい以前、「メンタルが弱そう」と書いたけれど、バスケットボールのプレー以外で悪い面が出まくり。トラッシュ・トークを仕掛けておきながら「弱さの証」と言ってみたり、耳に息を吹きかけたり、相手の顔を触ったり。ロイ・ヒバートも無得点試合があったり。なかなかひど仕上がり。デビッド・ウエストの重要度が際立つだけだった。ポール・ジョージの平均30点はすごいけれど、印象が薄かった。

ヒートに関しては特に言うことが見当たらないというか。レブロン・ジェームズか、ドウェイン・ウェイドが自分で行けるなら行き、ダメなら無理せずキックアウト。で、レイ・アレンかクリス・ボッシュかラシャード・ルイスのアウトサイド。あるいは、ディフェンスでプレッシャーかけて、ターンオーバーを誘ってダンクコンテストとか。フィジカルで強いけれど、1on1が起点になることが多く……おもしろさに欠けるんだよなあ…。


Western Conference


Spurs(#1) vs Thunder(#2) : Spurs 4-2

2014/04/19 Thunder 105 @ Spurs 122
2014/05/21 Thunder 77 @ Spurs 112
2014/05/25 Spurs 97 @ Thunder 106
2014/05/27 Spurs 92 @ Thunder 105
2014/05/29 Thunder 89 @ Spurs 117
2014/05/31 Spurs 112 @ Thunder 107 (OT)

第1戦、第2戦はスパーズのホームでブローアウト勝利。得点差がありすぎて、サージ・イバカが戻ってきても、この差は埋められないんじゃないかと思うほど。第3戦はイバカが復帰して15得点、7リバウンド、4ブロックショットの大活躍。特に前半は14分出場で10得点(FGM-A 5-5)、6リバウンド、2ブロックショットもあって、流れは完全にサンダーに。「1,2戦を落としたのは、イバカが居なかったからだ」と思わせるのに十分な働き。続く第4戦もサンダーが取って、スパーズはチェサピークエナジーアリーナで9連敗。レギュラーシーズンもサンダーの4勝0敗ということもあって「イバカのいるサンダーに勝てないんじゃないか」という声も出てくるほど。

第5戦、スパーズはスターターにマット・ボナーを起用。そして、ウェストブルックにレナード、デュラントにグリーン、ジャクソンにパーカーとマッチアップを入れ替える。この作戦がズバリ的中。第4戦で40得点、10アシストを挙げたウェストブルックを21得点、7アシストに抑え、今シーズン初めて「イバカのいるサンダー」に勝った。第6戦も同じスパーズは同じローテーション。4Q序盤で12得点のリードを追いつかれるも、オーバータイムでサンダーを振り切りシリーズを制した。

勝敗を分けたのは、ベンチだと思う。相手の出方に柔軟に対応できるベンチの深さが短期決戦の勝敗を分けたのだと。

アスレチック能力で勝るサンダーに対して、スパーズは「目には目を」ばかりに「トランジション・オフェンス」で挑んだ。つまり「息つく暇を与えない」作戦。「ハーフコートでボールを回して時間を使いながら攻める」ってことは、ディフェンスする側にとっては、束の間の休息になるからね。相手に「ゲーム中の回復」をさせないアップテンポなバスケットボールを可能にするベンチの深さが、スパーズにはあった。

ほぼ7人ローテーションでスターターをあまり変えたくないサンダーと、9〜11人ローテーションでフレッシュな選手をフロアに送り出せるスパーズとの戦いだから、成立した作戦でもある。

スターターにボナーを起用した理由

1. ストレッチ4の徹底
スプリッターよりも、ディアウよりも、3ポイントが得意なボナーを4番に入れることで、フロアに明確にストレッチ4を意識させた。イバカをペイントエリアからおびき出すことで、ブロックショットの驚異を弱めることと、ペリメーターディフェンスの強化。
ボナーの得点面での貢献は少なかったけれど、オフボールの動きやディフェンスでチームに貢献した。

2. ローテーションの変更
ボナーがスターターに入ることで、スプリッターやディアウがゲームに入るタイミングが変わる。すると、一緒にプレーするメンバーが変わり、彼らのプレー内容も変わる。ディアウは第6戦で26得点の大活躍につながった。


レナードのマッチアップを変えた3つの理由

1. ウェストブルック対策
シーズン中から7人ローテーションで回してきたサンダーにとって(=ベンチメンバーの弱いサンダーにとって)、「スターターをベンチに下げる」時間はできるだけ短くしたい。そのためにはスタミナを消耗しないようゲームをコントロールしていく必要がある。普段は相手がじっくり攻めてくれるので、速攻を何本だしてもディフェンスしながら「ゲーム中の回復」をすることができる。あるいは、オフェンスで突っ込んでフリースローをもらって「ゲーム中の回復」をすることができる。

スパーズが速い攻め&フリースローを与えないディフェンスを続けると、サンダーは枯渇してしまう。するとどうなるか。自分たちのオフェンス時にボールをキープして「ゲーム中の回復」を得ようとする。ポップの思いどおり。ボールハンドラーのウェストブルックにレナードをぶつける効果も出てくる。休めなくなるから。

2. デュラント対策
マッチアップで守っていても、ピックアンドロールがうまいため、デュラントがシュートを打つときはヘルプに入ったダンカン(or ディアウ or スプリッター)か、パーカー(or グリーン or ジノビリ)が守ることになる。だったら、レナードをスクリーナーにマッチアップさせておいて、ヘルプに入れさせるほうが効果的ではある。

3. 攻撃への貢献
マッチアップが誰であろうと、ある程度得点することはできる。だからこそ、MVPにも選ばれているのだ。レナードがデュラントを抑えられるならともかく、第4戦までの結果から、レナードをマッチアップにつけても25点、30点取られてしまうことがわかった。とはいえ、毎試合40得点されるなんてことは、スパーズのシステムを敷く以上ありえない……とポップは考えたはず。時期エースをディフェンスだけで浪費するのではなく、攻撃にも加わってもらおうと考えた。
第3戦 10得点(-13)、第4戦 10得点(-20)だったのが、第5戦 14得点(+22)、第6戦 17得点(-6)と結果にも表れた。




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