2014/03/14

Win "D" Chicago

2014/3/13 Rockets 87 @ Bulls 111
リーグ屈指の攻撃力で勝ってきたロケッツと、リーグ屈指の守備力で勝ってきたブルズ。

Best records since Jan. 1st
Best Records Since January ©NBA Entities

年明けから好調の両チームの対戦。しかもブルズは、2014/2/1 @ New Orleans、2014/2/3 @ Sacramento、アウェーで連敗してから1カ月以上連敗なし。実に興味深い。

というのも、1つ前の試合、ホームでスパーズに負けていて……。「だったら、今日は負けないのか?」 見る側にとっては、こういうジンクスっぽいデータも試合を楽しくしてくれるスパイス。「たとえ年明け以降の勝率No1チームでも、1つ前の試合で負けたから、今日は負けない」みたいな。「マー君が投げるから、今日は負けない(ayk  楽天ゴールデンイーグルス)」みたいな。しつこいですね。

で、試合は完全にブルズのペース。1度もリードを許すことなく大勝で勝利。ハイライトはこちら

平均得点106〜7点のロケッツが87得点しか取れていない……と書くと意外な感じもするけれど、ブルズの平均失点は91〜2だから、ブルズ的には勝ち試合はこんなもんかもしれない。

逆に、平均得点92〜3点のブルズが111得点も取り……と書くと意外な感じもするけれど、ロケッツの平均失点は101〜102点だから、ロケッツ的には負け試合はこんなもんなのかもしれない。…かもしれないが、マクヘイル・コーチは試合終了後のインタビューでかなりご立腹の様子。激おこぷんぷん丸。←初めて使った まあ、24点差ですからね。

この日のヒーローは、ブルズのダン・リービー。2Q終盤の接触プレーで負傷するアクシデントを乗り越え、後半だけで21得点(3Qに18得点)の大活躍。けっこうな流血でしたよ? それでもハーフタイムに処置をして、後半にはコートに戻るというプロ根性。

シボドー・コーチがスパルタ過ぎる問題とか、前半0得点だった選手をヒーロー扱いしていいのか問題とかはさておき、戻ったばかりの3Qだけで18得点するってのは、チームメイトはもちろん、ユナイテッド・センターに集まったブルズファンも大いに盛り上がるってもんです。

ブルズが対戦相手を90得点以下に抑えたのは、この日の試合で31回目(24勝7敗)なんだとか。さすが、ディフェンスで勝っているチーム。

Win "D" City ©NBA Entities

1月以降のディフェンス内容も素晴らしく素晴らしい。特筆すべき4点。OPPは、「おなかピーピー」でもなく、「オーシャン・パシフィック・ピース(C 小島よしお)」でもなく、Opponent(対戦相手)って意味ですから〜斬り。←いちいち古い。

Bulls's Defensive  able ©NBA Entities


ここまで書いて、続きがあるとは。。あたいも予想外。

試合後のスタッツを振り返ると、意外な得点差になった理由も見えてくる。細かく見るほど、見えてくる。数字だけでも楽しめるって、NBAってホント面白いなあ。他のスポーツもそうだろうけど。

貼り付けた2種類のスタッツは、同じ試合のものだけど、違う項目もあるので参考までに。

20140313-HOUCHI-stats 1
Game Stats : NBA GAME TIMEより
20140313-HOUCHI-stats 2
Game Statas : NBA.com Game Infoより

まずは、FG成功率。15%くらい差がある。そして、アシスト数。19本も差がある。
あっ、3P成功率は独立した項目があるけど、FG成功率に3P成功率も含まれています。3ポイントシュートもフィールドゴールなので。ただ、ゴールを決めたときの得点が違うので、3Pだけ抜き出している感じです。

FG成功率とアシスト数から見えてくること…。ブルズのほうがボールがよく回っていて、良い状態でシュートが打てている、ということ。だからFG成功率も上がるし、アシスト数も多くなる。このあたりのことは、リバウンド数からも読み取ることができる。と思う。

合計リバウンドは、試合に負けたロケッツのほうが10本も多い。でも、内訳を見ると…。ディフェンス リバウンドは、ほぼ同じ。オフェンス リバウンドは、ロケッツのほうが10本も多い。この数だけで「ロケッツがリバウンドを圧倒していた」ことは、大体分かる。

だかしかし。
ホントに「ロケッツがリバウンドを圧倒していた」のであれば、オフェンス リバウンドの回数差と同程度の回数差が、ディフェンス リバウンドについてもあっていいはず。なぜそうならないか。FG成功率の差……リバウンド機会の差があるから。

ロケッツにとってのオフェンス リバウンドの機会はブルズにとってのディフェンス リバウンドの機会でもあるわけで、ロケッツのFG成功率が低いということはそれだけロケッツにとってのオフェンス リバウンドの機会が多くあったというわけで。ほたる……。(ayk 北の国から)

いでよ!ボックススコアァァァ。
果たして、終わりはやってくるのしら。

Rockets Box Score : NBA GAME TIMEより ©NBA Entities
Bulls Box Score : NBA GAME TIMEより ©NBA Entities

えっと。おさらいしてみよう!のコーナーです。
ロケッツはヒューストンのチーム。FGM-Aの列。Field Goal Made - Attemptedのこと。28-79。79本フィールドゴールを打って、28本決まったと。フィールドゴールが外れた回数は、79−28=51回。同様にブルズは、86−43=43回。

ロケッツのオフェンス リバウンドが19で、ブルズのディフェンス リバウンドが29。「足したら48で、51にならねーじゃねーか!」と思ったあなた、今日のラッキー丼は親子丼です。うそです。

リバウンドの定義が「プレイヤーの3.5フィート以内にリバウンドが落ちた回数」と決まっているので、51は理論上のMAX値。リバウンドとしてカウントされないものもあるのです。

なので、ホームチームのオフェンス リバウンドの数とアウェーチームのディフェンス リバウンドの数を足した数を、ホームチームのオフェンス リバウンド獲得機会として考えてみる。


  • オフェンス リバウンド。

ロケッツは、48回中19回獲得で39.58%。ブルズは、40回中10回獲得で25%。同じ確率で母数を48回に合わせると12回。飽くまで計算上は7回差(スタッツ上では9回差)。


  • ディフェンス リバウンド。

ブルズは48回中29回獲得で60.42%。ロケッツは、40回中30回獲得で75%。同じ確率で母数を48回に合わせると36回。飽くまで計算上は7回差(スタッツ上では1回差)。

まあ、確率はテレコなのでね…。でも、スタッツ上の実際の回数と、獲得率をもとに試算し直した回数だと、比較しやすくなる。こんな風に考えると「ロケッツがリバウンドを圧倒していた」ことも腑に落ちやすくなる。ような気がする。

2回シュートを打って1回決まったときと、10回シュートを打って9回決まったとき。どちらも「1回しか失敗していない」と言うことはできるけれど、確率で考えると全然違うもんね。

とりあえず、そんな感じ。

スタッツの見所としては他に、ターンオーバーとその後の得点がある。ディフェンスのプレッシャーが激しいと、ターンオーバーが増える傾向にあるので。スティールされたり、パスカットされたりして、そのまま簡単に得点を許したんだな……なんてのは、このあたりの数字から読み取れる。

ディフェンスの激しさは、ファウルの数からも読み取ることはできる。不要なファウルも試合の中にはあるけれど、そこまでは気にしない。1Qあたりのチームファウル数が5本を越えると、相手にフリースローが与えられるので、FTM-Aからもディフェンスを激しくやっていたかどうかを想像しながらニヤニヤしませう。

ちなみに、Points in the Paintは、ゴール下の台形エリアで得点したという意味。フツーにゴール下でシュートした場合も、ソッコーでダンクかました場合も、リングの近くでリバウンドを取って再びシュート…みたいなケースもあるので特定できないが、オフェンスの効率、質なんかを予想することができるです。

+/-の値は、その選手がコートにいるときの得点差。「+」は勝ちチームのなら得点差を広げた(負けチームなら、得点差を縮めた)ということで、「-」は勝ちチームなら得点差を縮められた(負けチームなら、得点差を広げられた)ということです。

ボックススコアを見ると、どの選手が活躍したのか見えてくる。得点、FG成功数、ST(Steele)、BS(Block Shot)、BA(Block Against:ブロックショットされた数)などなど。選手の平均スタッツと比べると、さらによく分かる。ある選手が10得点した場合、平均得点が15点だとしたら、出来はよくなかったのかな、とか。マッチアップした選手が良いディフェンスしたのかな、とか。

より詳しい内容が見たいときは、Game Book[PDF]を見てみる。各クォーターごとのスタッツ、プレイ・バイ・プレイで試合の流れを追うことができる。

コート上にいる10人の選手が、それぞれの確率を持ちながら、行ったり来たり。バスケットボールは、数字が紡ぎ出す物語。

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